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【阿澄思惟/忌録: document X】神隠し・呪い・幽霊……読者巻き込み型謎解きホラー!!

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おすすめホラー小説「忌録: document X」の感想・レビューです。

「忌録: document X」は封印された4つの事件をまとめたとされるオムニバス。
著者・阿澄思惟さんが2006年から2012年までの間に収集した記録を公開している、とされています。

資料風の読者巻き込み型謎解きホラー。誰かと考察も楽しい作品です。
「みさき」「光子菩薩」「忌避(仮)」「綾のーと。」が収録されています。

作品名:忌録: document X
著者:阿澄思惟
発行日:2014年5月4日
発行元:A.SMITHEE

謎が謎呼ぶ4つのお話

  • みさき
    1992年に少女が失踪したという神隠し事件の記録。
    吉野美咲は両親が目を離したほんのわずかな間に姿を消した。
    なんの手掛かりもなく、両親は霊媒師の協力を仰いで交霊会を行うのだが――
  • 光子菩薩
    呪詛の実験の記録。
    逮捕された”谷中の眼球くりぬき魔”の所持品から見つかった、光子菩薩という謎の仏が描かれた護符。
    護符を目にした人間は認知能力を失い、昏睡状態に陥るという。
    科学者である「私」は、その謎を解明するべく護符の実験に関わることとなり――
  • 忌避(仮)
    2001年に沖縄県糸満市で起きた、幽霊屋敷にまつわる事件の記録。
    屋敷で次々と起こる怪現象。幻覚かと思われる恐ろしい怪異が綴られていて――
  • 綾のーと。
    事故物件ではないかと疑われるマンションに住んでいた女性の記録。
    更新が止まったままのブログには、彼女がマンションの部屋にカメラを設置し、心霊現象を録画しようとした記述が残されていて――

結末は読者の中にある……のか?

著者・阿澄思惟さんが、2006年から2012年までの間に収集した記録を公開しているというこの「忌録: document X」。
神隠し、呪詛、幽霊屋敷、心霊現象の4つの記録がまとめられています。

しかし、いずれの記録も本当の事件なのか、フィクションなのかが定かではありません。
元になったと思われる話があるものもありますが……
「綾のーと。」はブログ自体が現在も残っており、部屋を録画した動画がYouTubeにもあります。

「忌録: document X」はkindleのみでの配信です。
「みさき」、「光子菩薩」、「忌避(仮)」は1話ごとでも販売されていますが、なぜか「綾のーと。」のみ「忌録: document X」に収録されています。

ホラー、オカルトに分類できる作品でありながら、ミステリー。
その上、いずれも結末が分からないのです。
いつか「その後……」みたいな解決編が公開されるのでしょうか……

この作品は様々な解釈で、色が変わるものだと思います。
「忌録: document X」の感想・考察がtogetterにまとめられおり、いろんな角度からの意見を読むとさらに楽しめますよ!
また、電子書籍をうまく使った演出に唸らされます。

自分なりにあーだこーだ考えるのが楽しい、読者も巻き込む謎解きホラーはいかが?


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