おすすめホラー小説「えじきしょんを呼んではいけない」の感想・レビューです。
最東対地さんの長編ホラー小説です。
デビュー作「夜葬」や「#拡散忌望」も独創的な怪異と文明の利器が組み合わさった物語でしたが、今作もそのあたり健在です。
音声検索から呼び出された”えじきしょん”が、次々と人を溶かしていくノンストップホラー。ガスマスクというビジュアルも独創的。
著者:最東対地
発行日:2018年07月24日
発行元:KADOKAWA
神出鬼没のガスマスク
以前バイトしていた店の仲間たちと、とある島に旅行に行った住谷秋乃。
旅行に行って以来、不気味な存在に脅かされていることをフリーライター・京本陽介に語り始める。
” えじきしょん”と島の住人が呼ぶ怪物は、ガスマスクを被り、謎の液体を浴びせかけて人を溶かすのだという。
旅行に行った仲間の一人は怪談やオカルトに興味があり、”えじきしょん”を音声検索した。
すると、音声検索はこう答えた。
「えじきしょんを呼び出しました」と――
旅行からは無事帰ったものの、仲間の一人は失踪。
やがて、秋乃の前にもガスマスクを被ったアレが現れて――
音声検索から始まる逃亡劇
最東さんのデビュー作「夜葬」はスマホのナビ、「#拡散忌望」はツイッターなど、現代では身近なシステムと怪異が組み合わさって襲ってきます。
今作の”えじきしょん”は音声検索から呼び出され、様々な条件が満たされた時に現れて人を溶かします。
何がトリガーになっているのか、どうすれば解除できるのか。
主人公たちはガスマスクに脅え、条件がいつ発動するかに脅え、それでも解除方法を探します。
仲間たちは次々と溶かされ、行方不明になってしまいます。
そして、恐ろしいのは怪異だけではなくて――
”えじきしょん”という音の響きも良いですね。
名前からどんなものなのか想像がつかない怪異ですし、耳や脳内に残る単語です。
ファンの方ならテンションが上がるポイントとしては、「最恐スポットナビ」と”どんぶりさん”の話がちらっと出てくるところ。
まさか、”どんぶりさん”と”えじきしょん”が同じ本に掲載されていたとは(笑)
「最恐スポットナビ」には他にも何かありそうですね。
「最恐スポットナビ」と”どんぶりさん”は「夜葬」に登場しますので、興味がある方はこちらもお楽しみください。

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