おすすめホラー小説「などらきの首」の感想・レビューです。
「ぼぎわんが、来る」の澤村伊智さん著作で、比嘉姉妹シリーズ四作目になります。
第72回推理作家協会賞短編部門受賞作「学校は死の匂い」が収録された短編集です。
琴子、真琴、野崎、美晴のエピソードが楽しめます!
AmazonではAudible版もあります。
著者:澤村伊智
発行日:2018年10月24日
発行元:KADOKAWA
各話あらすじ
- ゴカイノカイ
物件のオーナー梅本は、あるビルの一室に悩まされていた。
入居した弁護士事務所などが立て続けにおかしな事が起きると言って出て行ってしまう。
事故物件ではないはずなのに。
梅本は居酒屋の女将に比嘉真琴という女性を紹介され、相談してみるが……
- 学校は死の匂い
市立三ツ角小学校には様々な怪談の噂がある。
比嘉美晴は姉に対抗するため、”ホンモノ”を探して調べていた。
ある日、クラスメートが体育館でおかしな音を聞いたという。
それは、雨の日にだけ現れる白い少女の霊で……
- 居酒屋脳髄談義
とある居酒屋の一室で、男性三人と女性一人が飲んでいた。
みな同じ会社で、一番後輩の女性を男性たちがからかって楽しむ酒席だった。
しかし、どうも女性の様子がいつもと違う。
男性たちは座敷の個室から出ることができず……
- 悲鳴
井須間大学の学生・赤城千草は、映画同好会の自主映画製作に協力していた。
ジャンルはホラー。しかも、推理SF心霊サークルの「井須間大学【裏】ガイダンス」に掲載されているいわくつきの場所で撮影。
その撮影後、威張り散らすサークルOBがロケ地で謎の死を遂げる。千草や他の学生は不審者に襲われ……
- ファインダーの向こうに
オカルト雑誌編集者の周防は、怪奇現象が起きると噂のスタジオを取材していた。
オカルトライターの野崎と、撮影した写真を確認していると、クローゼットを撮ったはずが川原が映っている。
編集長・戸波に紹介され、比嘉真琴という女性に写真を見てもらうが……
- などらきの首
高校生の寺西は、子供の頃に祖父母が住む地域で恐ろしい体験をした。
そのことを同級生の野崎に話すと、解明したいと言われ、連れて行くことに。
その地域には” などらき”という化け物の伝承があり、近くの洞窟に切り落とされた首が封印されているという。
小学生の時に意地悪ないとことこっそり洞窟に入り、ついさっきまであったはずの首がなくなったのを目撃したのだが……
比嘉姉妹人気キャラ満載の短編集
時系列順にこれまでの作品と併せて並べるとこんな感じですかね。
- ①学校は死の匂い
- ②悲鳴
- ③などらきの首
- ④ゴカイノカイ
- ⑤ファインダーの向こうに
- ⑥ししりばの家
- ⑦ぼぎわんが、来る
- ⑧ずうのめ人形
- ?居酒屋脳髄談義
「学校は死の匂い」には比嘉美晴が、ちょっとだけ琴子、真琴も出ています。
「悲鳴」にはおそらく「ずうのめ人形」のあの人……
「ゴカイノカイ」「ファインダーの向こうに」には真琴。
「などらきの首」「ファインダーの向こうに」には野崎が登場しています。
「居酒屋脳髄談義」は琴子の独壇場!
長編三作を読んでからの方が楽しめると思います。
長編に比べぞくぞく感は薄いですが、シリーズの登場人物のエピソードが楽しめるので、ファン向けの一冊ですね。
個人的には戸波さん主役の短編も読みたいです。
比嘉姉妹シリーズでは、”スキマ”があると、怪異に魅入られやすい、呼びやすいという説明が度々語られます。
確かにそうなのかもと思う部分もありつつ、そうでない人も祟られたりするよね?とも思います。
怪異に見舞われる人々は、どこか悲しく切ない状況にあって、描かれるその心情にちょっと気が滅入ることもありますが、真琴と琴子(あと野崎)の活躍にわくわくして、読み進める手が止まらないんですよねぇ。
他シリーズ作品も面白いですよ!



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