小説 グロ小林泰三

【小林泰三/脳髄工場】頭にぶっ刺す人工脳髄!矯正される自由意志!!

小説

おすすめホラー小説「脳髄工場」の感想・レビューです。

小林泰三さんの短編ホラー集で、「脳髄工場」「友達」「停留所まで」「同窓会」「影の国」「声」「C市」「アルデバランから来た男」「綺麗な子」「写真」「タルトはいかが?」が収録されています。

「影の国」は2003年「世にも奇妙な物語 春の特別編」で映像化されています。

作品名:脳髄工場
著者:小林泰三
発行日:2006年03月10日
発行元:KADOKAWA

あらすじ

  • 「脳髄工場」
    犯罪者の脳内環境を矯正するため、人工脳髄が開発された。
    やがて、犯罪者予備軍にも人工脳髄挿入措置を行うようになり、さらには犯罪の傾向がなくても他者と少しでも違うと感じた人々が自ら人工脳髄の挿入措置を申し込んだ。
    人工脳髄を装着していないと、脳の均衡が保たれていないとみなされた。
    少年はまだ人工脳髄を装着していなかった。
    同じく人工脳髄を装着していない親友もいた。
    しかし、中学生になって、遂に親友が人工脳髄を装着することになった。
    少年も人工脳髄を装着することにしたが、規格外のため工場に行くことになり――
  • 「友達」
    小心者の”僕”は、理想の自分を夢想していた。
    理想の自分が本当に存在しているようにイメージし、自分と会話するようになった。
    もう一人の自分に”ドッペル”と名付けた。
    理想の自分は気になる女子にも臆することなく、声をかけることができる。
    ”ドッペル”と会話を続けるうち、時々自分の記憶にはない出来事が起き始めて――
  • 「停留所まで」
    バスの中、友人が「あの噂を知っているか」と尋ねてきた。
    それはバスに出るお化けの話だった。
    決して振り向いてはいけないのだが、お化けはあの手この手で振り向かせようとしてくるらしく――
  • 「同窓会」
    二十年ぶりの同窓会。
    修学旅行で起きたバス事故の話になった。
    その時、来るはずのない女性が、同窓会に現れて――
  • 「影の国」
    カウンセラーは一本のビデオテープを再生した。
    自分の仕事場が映り、鼠色の男性が椅子に腰かけていた。
    男は”影”になることができると言い、その様子がはっきりと撮影されていて――
  • 「声」
    携帯電話を拾った。
    かかってきたので出てみると、自分からの電話だった。
    未来の自分からの指示に従えば、宝くじの当選番号も分かる――
  • 「C市」
    C市には大勢の科学者と、雑用を請け負う職員が住んでいた。
    科学者は世界各国から集められていた。
    ”C”という生命体を研究しており、科学者たちのグループは反戦派、懐疑派、主戦派に分かれていた。
    ”C”は何なのか、人間を滅ぼすものなのか――
  • 「アルデバランから来た男」
    探偵は依頼主が来るのを待っていた。
    依頼主は”フスツポク”と名乗り、アルデバラン星系から来たと話し――
  • 「綺麗な子」
    玩具犬を皮切りに、ありとあらゆる動物の玩具ペットが発売された。
    玩具犬を飼った女性は、夫に子供が欲しいと言い、電子カタログに掲載された少女を買って――
  • 「写真」
    写真研究家の男は、心霊写真を鑑定していた。
    その写真に写った人物が訪ねてきたのだが――
  • 「タルトはいかが?」
    男性が彼女と同棲することを、手紙で姉に報告する。
    彼女が作る菓子が非常に美味で、今では毎食菓子だ。
    しかし、段々菓子が不味く感じるようになり、彼女も衰弱し始める。
    その菓子には特別な材料が必要で、それは人間の血だった――

SFも王道も楽しめる珠玉の短編集

小林泰三さんの作品は、SFホラーといった作風です。
クトゥルフ神話がお好きなようで、邪神の名前のような単語や言語が出てくる作品が結構あります。

  • 「脳髄工場」はSFホラー。小林泰三さんお得意の近未来かパラレルワールドを舞台としています。
    人工脳髄を付けるか付けないかの葛藤。そして明らかになる”脳髄工場”の真実。
  • 「友達」はドッペルゲンガーというよりは、多重人格か分裂症ですね。
    ラストはちょっと驚愕です。そっちもか!
  • 「停留所まで」は都市伝説的なホラー作品です。
    そっちかい!!と突っ込みたくなるラスト。
  • 「同窓会」も王道なホラーです。
    来るはずのない、来てはならない級友が同窓会に現れます。
  • 「影の国」は不思議な作品ですね。存在感をなくすと影になれる。
    2003年「世にも奇妙な物語 春の特別編」で映像化されています。
  • 「声」は未来の自分から電話がかかってくるという、時間系SFホラーです。
    未来の自分が忠告してくれるのはありがたいですが、過去を変えると自分はどうなるのか――
  • 「C市」はクトゥルフ系ホラーです。
    理工学的な難しい説明が続きますが、なかなかうまく裏切られるオチ。
  • 「アルデバランから来た男」もSFホラー。
    宇宙人の相談を請け負う探偵事務所のようですが……
  • 「綺麗な子」は非人道的な面もある、命をテーマにした作品。
    生き物の世話は大変ですが、ペットや子供がAIBOみたいなロボット?アンドロイド?で良いのか。
    考えさせられるラストです。
  • 「写真」はあらすじにある通り心霊写真もの。
    5ページの短編ですが、あららららなオチが秀逸です。
  • 「タルトはいかが?」は多重人格ものでもありますが、吸血鬼なのかな……とも。
    はっきりと”そう”とは書かれていないので、どう捉えるかはあなた次第です。

小林泰三さんは結構グロくて、難解で、SF要素のあるホラーが醍醐味です。
予想をひっくり返す巧みで爽快な物語を楽しんでください。

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