小説 グロ小林泰三

【小林泰三/臓物大展覧会】グロテスクな展覧会!九つの臓物を飲み込め!!

小説

おすすめホラー小説「臓物大展覧会」の感想・レビューです。

小林泰三さんの短編ホラー集です。
「透明女」「ホロ」「少女、あるいは自動人形」「攫われて」「釣り人」「SPR」「十番星」「造られしもの」「悪魔の不在証明」が収録されています。

あなたは間違えて訪れた町で、奇妙な看板を見つける。
臓物大展覧会……展示されている肉のような塊。それらひとつひとつに物語があるというのだが――

作品名:臓物大展覧会
著者:小林泰三
発行日:2009年03月25日
発行元:KADOKAWA

あらすじ

  • 「透明女」
    級友から、「ノブちゃんて覚えてる?」と電話があった。
    なんとなく名前は覚えている気はするが……
    どうも、ノブちゃんはお礼がしたいから会いたいらしい。
    その後、電話をくれた級友は殺されてしまう。臓器を抜き取られ、代わりにコップやペットボトルなど、透明な物が詰め込まれていた。
    ノブちゃんは何のお礼がしたいの――
  • 「ホロ」
    幽霊ホロシステムにより、亡くなった人の幻影が見えるようになった。
    チップを埋め込まれた人間には幽霊が見える。
    喫茶店の店員も幽霊かもしれない。
    どこまでが幽霊で、どこまでが本物なのか――
  • 「少女、あるいは自動人形」
    男は30年前、ある屋敷を訪れた時のことを語った。
    人里離れた森の中にあった屋敷には、少女を模した沢山のオートマタがあった。
    屋敷に住む人間は、人間とオートマタの見分けることができるか試すために男を招いたのだという――
  • 「攫われて」
    恵美は突然、小学生の時に誘拐されたと言った。友人と3人で帰る途中、全員まとめて誘拐されたのだ。
    男は話を聞かせてほしいと頼んだ――
  • 「釣り人」
    エヌ氏に釣りに誘われ、山奥の渓流に行った。
    その日から悪夢に悩まされるようになった。
    釣りに行った時にエヌ氏の犬がいなくなたのだが、その時のことを覚えていない。
    2人はあの日何があったのか、必死に思い出そうとする――
  • 「SPR」
    着陸探査に訪れた場所は、絶好の「死の世界」だった。
    生命が存在しないなら、自由に開拓できる。
    しかし、謎のノイズが観測された。
    ノイズからは情報が抽出できた。
    「余は山ン本五郎左衛門と名乗る」――
  • 「十番星」
    塾の帰りに家に来ないかと誘われた。
    惑星を発見したのだと言う。
    その惑星の写真は、人間の顔に見え――
  • 「造られしもの」
    目覚めた男は、かたわらのロボットを忌々しく思い、罵声を浴びせて破壊した。
    男が小さい頃には、周囲はすでにロボットで溢れていた。
    社会はロボットにより動き、人間は面白おかしく暮らす毎日。
    ひとりひとりに最低1体は、常にロボットがそばにいた。
    ある日、男はロボットを連れていない女性と出会い、恋に落ちて――
  • 「悪魔の不在証明」
    文筆業の男は過疎化が進む村に移り住んだ。村社会に溶け込むため、若い女性教師と仲良くなり、恋人のような関係になった。
    村での生活にも慣れてきた頃、男が移住してきた。
    そして、凄惨な事件が――

ロボットも臓物なのかなぁ

今回の小林泰三さんの短編集は、タイトルからして超攻撃的ですね。
ラインナップもなかなかですよ。

  • 「透明女」は猟奇殺人ホラー。
    何度もひっくり返されます。
    グロいですが、二重三重の伏線に振り回されるのが心地よい。
  • 「ホロ」はSF作品です。”幽霊”の概念が心霊とは違います。
    あー、そうなっちゃうのね。
  • 「少女、あるいは自動人形」は人形系(?)ホラー。
    「ホロ」に続いて、人なのかオートマタなのか?というお話ですが、こっちの方が個人的に好みです。
  • 「攫われて」は誘拐された少女たちと、誘拐犯の攻防。
    少女たちと誘拐犯はどうなってしまうのか。
  • 「釣り人」は”洒落怖”っぽい出だしですね。でもSF。
  • 「SPR」はSF妖怪活劇といった雰囲気です。
    陰鬱ではなくて痛快な展開が楽しめます。
  • 「十番星」もSFホラーですね。
    惑星を発見した少年の様子がおかしくなってしまいます。
  • 「造られしもの」はあらすじの通りロボットものです。
    ロボットは人間のために存在するというのですが、ロボット三原則を逆手にとっているのかなと思います。
  • 「悪魔の不在証明」は殺人事件が起きた経緯が語られます。
    津山事件っぽい感じ。どっちが”悪魔の証明”だったのかと、考えさせられるラストです。

小林泰三さんは結構グロくて、難解で、SF要素のあるホラーが醍醐味です。
予想をひっくり返す巧みで爽快な物語を楽しんでください。

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