小説 グロ小林泰三

【小林泰三/家に棲むもの】もうひとりいる!?王道路線の家系ホラー!!

小説

おすすめホラー小説「家に棲むもの」の感想・レビューです。

小林泰三さんの短編ホラー集で、「家に棲むもの」「食性」「五人目の告白」「肉」「森の中の少女」「魔女の家」「お祖父ちゃんの絵」が収録されています。

作品名:家に棲むもの
著者:小林泰三
発行日:2003年03月11日
発行元:KADOKAWA

あらすじ

  • 「家に棲むもの」
    姑と同居のため、夫婦と一人娘は古い家に引っ越した。
    ほどなくして、夫は単身赴任でいなくなり、家には姑、妻、娘の3人だけ。
    妻は近所で、姑の家について噂を耳にする。
    前の持ち主の家族間でトラブルがあったらしい。
    その上、姑はもう一人家族がいるかのようなことを言う――
  • 「食性」
    見合い相手の女性に「食性」を聞かれた。
    女性は菜食主義で、肉食がいかに野蛮かを熱弁し、男は共感して結婚する。
    前の恋人が”肉食”だったトラウマもあった。
    しかし、1年ほどして結婚したことを後悔し始める。
    あの時の”肉の味”が忘れられない――
  • 「五人目の告白」
    ノートには”一人目”から”四人目”の告白が綴られていた。
    女性に”五人目の告白”を書くように言われる。
    書くのが無理なら、このノートは何なのか推理しろと言われる。
    ”一人目”は女性で、謎の女性に襲われていた。
    ”二人目”は男性で、自宅の庭に死体がある。
    ”三人目”は女児のようで、不審な男に追いかけられる。
    ”四人目”の男性は、自宅で女性を殺害した。
    一体、このノートは何なのか、自分は”五人目”なのか――
  • 「肉」
    遺伝子工学の研究室で働く女性は、友人と偶然会ってファミレスに行った。
    どんな研究をしているか話しているうちに、助教授がおかしい、という話になった。
    家畜の遺伝子組み換えが専門の助教授はおかしな生物を生み出していて、「見せたいものがあるから」と家に誘ってきたのだ。
    女性は助教授が遺伝子を組み替えた豚が気になって、助教授宅を訪ねるが――
  • 「森の中の少女」
    ”少女”は村はずれに行った際、声が聞こえたと”母”に話した。
    ”少女”は村と森の境界が見たかったのだが、”母”は境界の向こう側には恐ろしいものが棲んでいると話す。
    村と森の境界は人間と獣の境界でもあるという。
    ”少女”はここの子なのか、自分は獣なのではないかと疑問に思い始め――
  • 「魔女の家」
    子供の頃、”まじょの家”を見つけたと日記に書いてあった。
    しかし、そんなことがあった記憶がない。
    日記を頼りに魔女の家を確かめに行くと――
  • 「お祖父ちゃんの絵」
    孫に自分が描いた壁画を見せる祖母。
    地下室の壁には祖父と祖母の出会いを始めとして、物語となっていた。
    ある夏の日、祖母は祖父に一目惚れした。
    そして、祖母は祖父を射止めるために――

人間怖い!な短編も。バラエティに富んだ短編集

小林泰三さんの作品は、SFホラーといった作風です。
こちらの短編集は、SFは少なめになっています。

  • 「家に棲むもの」は家系ホラーです。
    どんな作品でも、老婆は不気味で怪しい存在ですね。
    今回は”人間怖い”といったストーリーです。
  • 「食性」は食の好みをテーマにした作品です。
    誰しも好き嫌いはありますが、常識を飛び越した特殊な食にまつわるお話です。
  • 「五人目の告白」は多重人格もの。
    小林泰三さんの短編ホラーで多重人格ものは多いですが、どの作品もそれぞれ違った展開、味があり今作も面白いです。
  • 「肉」は遺伝子組み換えをテーマとした作品。
    食糧難を解決できるかもしれない”肉”。安心して食べられるものなら良いのですが……
  • 「森の中の少女」はメルヘンチックなホラー。
    少女は境界の向こう側にいるのか、こちら側にいるのか。人間なのか、怪物なのか。
  • 「魔女の家」もファンタジックでノスタルジック。
    子供を誘惑する妖艶な女性が登場します。
  • 「お祖父ちゃんの絵」はお祖母ちゃんがお祖父ちゃんとの馴れ初めを語ります。
    が、とんでもない展開。こちらも”人間怖い”系ですね。

小林泰三さんは結構グロくて、難解で、SF要素のあるホラーが醍醐味です。
予想をひっくり返す巧みで爽快な物語を楽しんでください。

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