小説 グロ飴村行

【飴村行/粘膜人間】ぬるぬるぬめる!殺害計画と誤算……異形たちの饗宴!

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おすすめホラー小説「粘膜人間」の感想・レビューです。

「粘膜人間」は飴村行さんのデビュー作で、第15回日本ホラー小説大賞〈長編賞>受賞作です。

河童に殺人を依頼するという、悪夢を見ているかのようなグロテスクファンタジーが魅力。
シリーズ作品は他に「粘膜蜥蜴」「粘膜兄弟」「粘膜戦士」「粘膜探偵」があります。

作品名:粘膜人間
著者:飴村行
発行日:2008年10月25日
発行元:KADOKAWA

化物のような弟への殺意と欲望

長男・利一と次男・祐二は、身長195センチ、体重105キロもある11歳の末弟・雷太の暴力に耐えかね、殺害を企てる。
圧倒的な体格差のため、自分たちの力で殺すのは無理だと考えた2人は、村のはずれに棲む河童たちに殺害を依頼することを思いつく。

河童に交渉すると、河童は雷太殺害の見返りに村の女を要求する。
何とか用意すると説き伏せ、利一と祐二は河童と契約を結ぶ。
祐二は、兄が徴兵から逃亡したために「非国民」に認定されてしまった女子生徒を、河童に差し出そうと考えるが――

ぐるぐるとめくるめく悪夢

「粘膜人間」は三章で構成されています。
◆第壱章 殺戮遊戯
◆第弐章 虐殺幻視
◆第参章 怪童彷徨

第壱章では、利一と祐二が河童に雷太殺害を依頼し、その末路が描かれています。
第弐章では、第壱章にて河童に差し出されるはずだった女子生徒が、憲兵から拷問を受ける様子と、女子生徒の兄の秘密が明かされていきます。
第参章では、第壱章の殺害計画のその後が、ファンタジックな世界観で展開されていきます。

憲兵や徴兵が出てくるので戦中が舞台と思われますが、河童が生息しているというのが”普通である”グロテスクファンタジーといったところでしょうか。
いずれの章も、グロテスクでエロティックな描写やシーンが随所に散りばめられ、まるで悪夢を見ているかのような感覚を覚えます。
「夜波の鳴く夏」や平山夢明さんの作品がお好みの方にはおすすめです(/・ω・)/

シリーズ作品もおすすめ

主人公や地域は異なるのですが、同じ世界観を共有したシリーズ作品があり、「粘膜蜥蜴」、「粘膜兄弟」、「粘膜戦士」、「粘膜探偵」が刊行されています。
「粘膜人間」の世界観がお気に召したら、他のシリーズ作品は刊行順に読むのがおすすめです。
河童以外にも不思議な生物が登場しますよ。


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