おすすめホラー小説「ししりばの家」の感想・レビューです。
「ぼぎわんが、来る」の澤村伊智さん著作で、比嘉姉妹シリーズ三作目になります。
夫の転勤で東京に越してきた主婦。子供の頃に幽霊屋敷に忍び込んで以来、人とまともに話せず引きこもっている青年。
すべては同じ家の怪異が関わっていた!
是非とも実写化していただきたい!
著者:澤村伊智
発行日:2017年06月29日
発行元:KADOKAWA
不気味な砂が散る家
夫の転勤先の東京で専業主婦として生活を始めた果歩。
人と話すことがなく、友達もいない味気のない毎日。夫の帰りは遅く孤独が日に日に募る。
そんなある日、偶然幼馴染の平岩敏明と再会し、家に遊びに行く。
その家はあちこちに砂が積もっていた。
しかし、平岩夫妻は砂を気にも留めない。
夫妻がおかしいのか、それとも……
平岩家の祖母は” ししりば”という言葉を口にした。
現在は平岩邸となっている場所は、かつて幽霊屋敷があった。
廃屋となっていた頃、五十嵐は仲の良かった男友達二人と、比嘉琴子と忍び込んだ。
それから、頭の中にざりざりと砂の音がする。友達は二人ともおかしくなった。琴子も前と雰囲気が変わった。
自分は人とまともに話すことができなくなり、家に引きこもっている。
毎日毎日、同じ日課を繰り返す。犬の散歩、サイト巡回。
そして、幽霊屋敷だった平岩邸を双眼鏡で確認する。
変わらない日常に変化が訪れる。比嘉琴子が家を訪ねてきたことによって。
琴子が「五十嵐くんを助けに来た」と言って……
おかしいのはこの家か、それともわたしか……?
「ししりばの家」は序章、終章を含み八章で構成されています。
◆序章 幽霊屋敷
◆第一章 円満家庭
◆第二章 廃屋探訪
◆第三章 崩壊家庭
◆第四章 日常生活
◆第五章 家族会議
◆第六章 家内安全
◆終章 事故物件
家に住む幼馴染を訪ねる果歩と、かつてその家が廃屋だった頃に怪異に見舞われた五十嵐の視点で、交互に物語が進んでいきます。
序章は幽霊屋敷となる前の家。
第一章では果歩の日常と平岩敏明との再会、お宅訪問。
第二章では五十嵐の回想で琴子が幽霊屋敷に入った時のこと。
第三章では平岩邸を訪れてから体調を崩した果歩。果歩はもう平岩邸には行かないと決めたが結婚指輪を平岩邸に落としてしまったことに気づく。
第四章で五十嵐の元を琴子が訪ねてくる。
第五章は平岩邸で恐怖の連続を味わう果歩。家の秘密を調査した琴子と共に、五十嵐は平岩邸を訪ねる。
第六章で琴子は五十嵐に協力してもらいつつ、幽霊屋敷の怪異と対決する。
終章は後日譚。
という構成です。
琴子が何故現在の仕事をするようになったのかが明かされます。
会話の中で美晴も登場しますよ。
琴子もぼぎわんの時と変わらずかっこいいのですが、今回のMVPはわんこ!
時系列的には「ぼぎわんが、来る」の前になりますね。
果歩と五十嵐の視点が交錯する演出も面白いです。少しズレがあるんですよね。同軸じゃないんです。
琴子と真琴がタッグを組んで怪異と戦う物語が読みたいなぁ。
できれば美晴もちょっぴり助けてくれたりして……
まだどの話にも登場しない弟たちが気になるとこです。
他シリーズ作品も面白いですよ!



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