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【遠藤徹/姉飼】脂祭りで姉を飼う!!衝撃的世界観の怪奇短編!

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おすすめホラー小説「姉飼」の感想・レビューです。

遠藤徹さんのデビュー作で、第10回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作「姉飼」を収録した短編小説集です。

中でも「姉飼」は、”姉”という存在の虜となり、”姉”を飼うことに執着する”僕”を描いた、類を見ないホラー作品となっています。エロティックでグロテスクな作品なお好きな方におすすめです。

遠藤徹さん他作品「壊れた少女を拾ったので」「おがみむし」「むかでろりん」も奇想天外な世界観で◎

作品名:姉飼
著者:遠藤徹
発行日:2006年11月10日
発行元:KADOKAWA

”姉”を飼うということ

かつて”蚊吸豚かすいぶた”を特産としていた村”祠部矢しぶや”で生まれた”僕”は、”脂祭り”の夜に縁日の小屋で売られている”姉”を見たことで世界が一変した。

”姉”に心を奪われ、”姉”をもう一度見たいという想いに囚われる。
近所で”姉”を買ったという噂の家を覗きに行き、いつか”姉”を飼うと決意する。

やっとの思いで”姉”を手に入れた”僕”だったが、”姉”は高額な上に寿命が短く、長くは生きられない。

”姉”の最期を看取っては、次の”姉”を飼う。
甘美でおぞましく、麻薬的な”姉”との生活はやがて――

淡々と語られる衝撃の世界

「”姉”を飼う」というストーリーの軸そのものが衝撃的な本作。
”姉”は、近親者という意味での”姉”ではなく、”姉”と呼ばれる生物のことです。

捕獲が難しく、胴を串刺しにされ、野生の獣の如く狂暴な”姉”。
さらには”蚊吸豚”、”脂祭り”、”祠部矢村”など、邪悪なパラレルワールドを思わせる世界観です。

淡々とした文章を読んでいくうちに、そんな村や祭りがどこかにあるように感じ、ずぶずぶと底なし沼に飲み込まれていきます。
現実の世界ではないはずなのに。「ちょっと昔はこんなだったんじゃないか」と錯覚してしまうほど何故か現実味を帯びています。

同時収録の他作品も独特

「姉飼」に収録された他の短編も、負けず劣らずな独特の世界観が楽しめます。

  • 「キューブ・ガールズ」
    ファミレスで男性と話をしている女性。男性から、自分はアダルトショップに売られていたキューブ型の商品で、もうすぐ賞味期限が切れると言われ――
  • 「ジャングル・ジム」
    公園のジャングル・ジムは、毎日訪れる子供やサラリーマンを相手に、遊んだり会話して、人々と信頼関係を築いていた。
    ある日、ジャングル・ジムは人間の女性に恋をして――
  • 「妹の島」
    広大な果樹園を中心としたとある島。果樹園の主の長男が殺され、他の息子たちも次々と謎の死を遂げ――

他にも短編集が刊行されており、様々な怪しい世界を覗けますので、おすすめです(/・ω・)/

【遠藤徹/壊れた少女を拾ったので】少女が壊れてたのでバラバラにして修理しました!!!
おすすめホラー小説「壊れた少女を拾ったので」の感想・レビューです。遠藤徹さんのホラー短編集「壊れた少女を拾ったので」は、単行本「弁頭屋」を改題した文庫版です。第10回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作「姉飼」でも独特の世界観を持った短編が収録されていましたが、更なる驚愕の世界を堪能できます。短編なので読みやすいですが、エログロもありますのでご注意を。
【遠藤徹/むかでろりん】でろでろぽんのでろでろりん!連結する人々と町対町の戦闘!!
おすすめホラー小説「壊れた少女を拾ったので」の感想・レビューです。遠藤徹さんのホラー短編集「むかでろりん」は、9編の作品が収録されています。第10回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作「姉飼」、「壊れた少女を拾ったので」でも独特の世界観を持った短編が収録されていましたが、益々驚かされる世界と物語が詰め込まれています。他短編集と同様に短編なので読みやすいですが、エログロもありますのでご注意を。

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